
| Copyright c 2007, Shinden-kai Iai-Mugai-ryu All rights reserved |
しっとくよもやまばなし・・・・・
無外流の達人、秋山小兵衛、その子大治郎の名は時代小説フアンなら多くの方が
存知だろう。
池波正太郎先生の小説「剣客商売」の主人公たちである。
今回の"知っ得四方山話"は、実在の人物や時代物知識ではなく、"閑話休題"とい
うところだ。
小説の舞台はいろいろ変わるが、主人公の住まいはそうは変わらない。ましてや
娘ともいえる大分年下の妻、おはるとの蜜月の住まいともなると、池波先生大い
に気が入った設定となっている。
池田先生のメモ帳にはその家の間取りまでご丁寧に入っている。さて、その家と
周辺、息子大治郎の道場を、小説の中からわかりやすく書き記してみよう。
秋山小兵衛の家は、寺島村の堤の道を北へたどり、大川、荒川、綾瀬の三川が合
する鐘ヶ淵をのぞむ田地の中の松林を背にある。
寺島村は田圃道の向こうに道(堤)が横たわる。これをものの本(「江戸名所図
会」のこと)では、「官府の命ありて、堤の左右へ桃、桜、柳の三樹を植えさせ
られければ、二月の末より弥生の末まで、紅翠白枝をまじえ、さながら錦繍をさ
らすがごとく、幽艶賞するに耐えたり」とある。
あたりには、木母寺、梅若塚、白鬚明神などの名所旧跡が点在して、四季それぞ
れの風趣はすばらしい。(「江戸名所図会」の"鐘ヶ淵・丹鳥の池・綾瀬川"の絵
があり、周辺の雰囲気をほうふつとさせる)大治郎は三冬と所帯を持ったあとの
道場は、荒川が大川(隅田川)に変わり、流れを転じようとする浅の外れの、
真崎稲荷明神社に近い木立の中にある。約15坪、六畳と三畳二間きり。
父小兵衛の住む寺島村までは、すぐ近くの橋場町から大川を渡って寺島へ着く
舟が出ている。
百姓渡しで二人の舟守が二艘の舟をあやつる。
(小兵衛の家の間取りや周辺の雰囲気をこれ以上詳しく知りたいと思われるなら、
小説本編や新潮文庫刊「剣客商売読本」などを読まれると良いが、さも実在の
人物を題材に描かれているような気がしませんか。)